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会長コメント

第46回定時総会 下妻会長 開会ご挨拶

2008/05/26

 本日は、ご多忙の中、第46回定時総会に多数ご出席頂き、誠に有難うございます。
会員の皆様には、平素より関経連に、ひとかたならぬご支援、ご協力を賜り、高い所からではございますが、厚く御礼申し上げます。


1.1年を振り返って
(1)関西の自立に向けて
 本日の総会を以て、2年任期の後半に入りますが、この1年を振り返りますと、関西にとり大きな変化があった年でありました。

 先人の方々のご努力が実りまして、関西国際空港の第2滑走路オープンによる日本初の完全24時間空港化、大阪湾4港の阪神港としての一開港化が実現し、 日本の新たな大動脈となる新名神高速道路も部分開通しました。また、将来の分権型道州制を見据えて、関西広域機構が設立され、精力的な活動により、日本初 の府県間の広域連合の設置が合意されるところまで参りました。まさに、関西の自立のための大きな道具建てが揃いつつあります。

 主要自治体でも、大阪市、大阪府、そして京都市に新しい首長が誕生し、いずれも大変な財政状況を踏まえて、改革に邁進する決意を漲らせていらっしゃる。非常に頼もしく思います。

(2)堅調な関西経済
 さて、関西経済は、これまで、情報家電や素材産業を中心として、旺盛な設備投資と好調なアジア向け輸出に支えられ、全体としては底堅く推移してきまし た。米国のサブプライムローン問題と、原燃料、食糧価格の上昇を発端として、現在、景気は踊り場にあり、注意は必要ですが、悲観することはないと思いま す。

(3)政治の停滞
 一方、政治面では、昨年8月の参院選挙の結果、衆参ねじれによる国会空転、物事が決まらないという政治的混乱が生じております。また、建築基準法や高齢者医療制度の改正など、新制度導入に際してのあまりに拙速な取り扱いが物議を醸しており、非常に残念であります。

 人口減少、高齢化が現実のものとなった日本においては、成長とそのための構造改革が必須であります。世界経済は、日本の政治停滞を待ってはくれません。


2.今年度の活動
(1)関西の新たな発展
 我々にとって大事なことは、厳しい国家間・地域間の競争に取り残されることのなきよう、将来にむけての布石を打ち、着実に実行することであります。

 私は、会長就任後100日という時間を頂戴して、『関西の「再生」から新たな「発展」へ』を取りまとめ、「強い産業の実現」「アジアとの共生」「地域の自立-関西はひとつ」の3つを事業活動の中期指針としました。

 今年度の事業計画は、この所謂100日タスクの結論を具体的な事業に落とし込んで、「新たな発展」をキーワードにとり纏めました。会員の皆様と共に、関西の新たな発展をデザインしていきたいと考えております。

(2)新たな関西像を描く
 まず、第一は、「新・関西ビジョン」の策定であります。
具体的にどういう関西にしていくのか。十年後の新たな関西像、新たな発展の道筋を皆様とともに描いていきたい。この10月にお示しできればと考えております。

(3)競争力強化のためのインフラ整備
 第二は、競争力強化のためのインフラ整備であります。
冒頭申し上げたように、自立に向けての大きな道具建てが揃いつつありますが、関西の潜在力を引き出すには、まだまだハード・ソフト双方のプラットホームの整備が必要であります。

 国際物流の競争力強化という面では、基幹道路が、肝心要のところで繋がっていない、いわゆるミッシングリンクの解消が重要です。また、大阪ベイエリアの 強化とともに、近年、物流量が増大している日本海ゲートウェイの強化と阪神港との連携にも取り組んで参りたいと考えております。

 大阪駅北地区も、Ⅰ期事業の工事着手やⅡ期事業の具体案づくりなど、開発のヤマ場を迎えます。Ⅰ期事業の目玉となるナレッジ・キャピタルには、ロボット やIT等の最先端技術や神戸のスーパーコンピューターの成果の紹介に加え、けいはんなをはじめ、彩都、神戸医療産業都市など、関西がこれまで蓄積してきた クラスターとの結節機能を持たせ、更に、アジア太平洋研究所構想も含めて、知と情報の交流を図る仕掛けをつくりたいと思います。

(4)時代を先取りした調査研究
第三に、時代を先取りした調査研究に取り組んで参ります。
これまでも、関経連は、種々の政策提言を行ってきましたが、今後、想定される社会変化について、例えば、農商工連携など、産業としての農業の競争力強化に ついても踏み込んでいきたい。国際会計基準や排出権取引など、欧米主導の国際ルールで良いのか、という問題意識なども慎重に考えながら、情報の受発信機能 を強化し、新たなテーマに果敢に挑戦したいと思います。

(5)地域との連携の強化
 以上の施策のほかに、「常に関西全体を意識する」との観点から、副会長の方々には、新たに地域ごとの担当をお願いし、自治体、経済団体との交流連携を強化する体制を敷き、関西はひとつという意識を共有して参ります。関西の連携の力になると期待しております。

 もちろん、関西の発展には、まず、大阪に元気を出してもらわねばなりません。そのためには、大阪府の橋下知事、大阪市の平松市長には、繰り返しになりま すが、是非、頑張ってもらいたいと思います。今は、生みの苦しみ。変わるという予感がある。財政の再建、産業の振興など、次代の関西の礎を築くため、是 非、頑張って期待に応えて欲しい。我々も、出来る限りの協力をしたいと思います。

(6)新たな総合経済団体を目指して
 私ども関経連は、1972年より公益法人として活動して参りましたが、今年は、2つの点で大きな節目となります。公益法人制度改革への対応と、関西経営者協会との統合であります。

 本年12月、新公益法人制度関連の法律が施行されますが、5年以内に改めて認定を受けない限り、公益法人としての活動はできなくなります。一般法人とな る道もありますが、伝統ある公益法人としての使命を継続して果たすべく、認定基準は現行より数段厳しくなりますが、是非、クリアして参りたいと考えており ます。

 また、関西経営者協会との統合につきましては、昨年夏から、非公式に意見交換を行ってきましたが、本日、来春の統合に向けて正式に協議に入ることを皆様 にお諮り致します。この統合が実現すれば、関経連に新たな機能が加わることとなります。これまで関経協が培ってきた、人事・労務に関するコンサルティング をはじめ、数々の事業を継承し、総合経済団体としての活動の幅を、更に一層広げて参りたいと考えております。


 最後になりましたが、副会長の方々をはじめ、会員各位におかれましては、より一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げて、簡単措辞ではありますが開会の挨拶とさせて頂きます。
ありがとうございました。


以上