会長コメント

年頭所感

2009/01/05

明けましておめでとうございます。

 関経連は広域経済団体として、常に関西全体を意識し、関西の新たな発展をリードすべく活動してまいりました。
 昨年、日本初の府県を越えた広域行政体となる「関西広域連合(仮称)」が設立段階に入ることが基本合意され、地方分権の確立に向けて大きく前進しまし た。関経連もこうした行政の動きと連携し、関西ブランドの構築、地域サポーター制など関西全体の地域力を強化する施策を打ち出すとともに、環境先進地域で ある関西のアピールや、農商工連携、ポスト・ビジット・ジャパン・キャンペーンといった関西ワイドの調査研究など新しい課題に取り組んできたところです。
 また、一昨年の関経連業務の見直し(「100日タスク」)に続き、おおむね10年先の「関西のありたき姿」を示した「関西ビジョン2020 関西、おもろい!」を取りまとめ、提案させていただきました。これにより、今後の関経連の進むべき道をより一層明確化できたと考えております。

 関西経済は、好調な輸出とベイエリアを中心とした設備投資に支えられ順調に推移してきましたが、後半、米国の金融危機に端を発した世界的な景気後退の影 響で一転して厳しい局面となるなど、大きな変動にさらされております。今後の経済・社会の先行きは不透明感がぬぐえませんが、こういった状況にあるからこ そ、自ら考え、自らの力で道を切り拓く、眼前の諸課題に果敢に「挑む」ことが求められています。

 関経連はその先頭に立ち、関西が元来有している独創性、革新性や倫理性など、いわゆる「関西スピリット」をいま一度呼び起こし、関西の「突破力」を発揮 して日本や世界に貢献するための活動を強化してまいります。具体的には、「関西ビジョン」に盛り込んだ、新エネルギーの開発普及や環境ビジネスの拡大、中 堅のものづくり企業群の強化、くらしを面白く豊かにする、関西の魅力の向上といった課題に熱意を持って取り組んでまいります。
 また、将来の道州制を見据えて、関西広域連合の具体的制度設計も進んでまいります。これらを支えるソフト・ハード双方の社会基盤整備も重要度を増しま す。広域地方計画は今年の夏ごろに確定されますが、基幹道路が肝心かなめのところでつながっていない、いわゆるミッシングリンクの解消なども織り込み、実 現へステップを進めてまいります。さらに、関西の3空港のあり方も議論を開始する予定です。
 大阪駅北地区(梅田北ヤード)開発については、Ⅰ期の目玉であるナレッジ・キャピタルを着実に推進し、Ⅱ期のコンセプトである環境というテーマについても、その具体化をはかってまいります。
 今年、関経連は、関西経営者協会との統合と、新公益法人制度への対応により、大きく変わります。これまで関経協が培ってきた、人事・労務分野に関する知 見を継承し、総合広域経済団体として活動の幅をさらに広げ、伝統ある公益法人として、関西から日本の発展をめざすという使命を果たしてまいります。

 今後も、会員の皆様のご意見を頂戴しながら、各経済団体、自治体とも連携をより密にし、関西の活性化、関西の発信に努めてまいります。本年も倍旧のご支援をお願い申し上げます。

以 上