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会長コメント 2013

第51回定時総会 森会長挨拶

2013/05/27

 第51回定時総会の開会にあたりまして、一言ご挨拶させていただきます。
 一昨年の5月に、関経連の会長を拝命し、これまで、みなさまに支えていただきましたおかげをもちまして、何とか1期2年を務めることができました。これまでの多大なるご協力に、厚く御礼申し上げます。みなさまには、引き続きの、ご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
 私が関経連の会長に就任いたしましたのは、東日本大震災から、わずか2ヶ月後のことでありました。被災地では想像を絶する被害が広がり、東日本広域の産業が機能不全に陥る中、震災の直接の被害を受けなかった関西も、重苦しい雰囲気で覆われていたのを強く記憶しております。
 そこから2年が経ち、一時は、政治の混迷が足を引っ張った時期もありましたが、被災地の中には、復興の槌音が響くところも出てまいりました。産業面では、震災の影響に加えまして、欧州の債務危機やタイの大洪水、一時1ドル75円台をつけた歴史的な円高などが重なり、かつてないほどの困難を強いられましたが、このところは、アベノミクス効果もあって、ようやく活気を取り戻しつつあります。
 しかしながら、全ての被災地が復興を成し遂げるまでには、まだ途方もなく長い道のりが続いております。震災を教訓にした強靭な国土づくりも、未だ具体的な 動きには至っておりません。
 わが国経済のリスク要因である日中関係の冷え込みも、なかなか改善の兆しが見えません。そして何より、大飯発電所3・4号機に続く安全が確認された原子力発電所の再稼動ができないため、未だに電力不足の異常事態が続いており、それが、わが国経済の大きな足枷となっているのが現状であります。
 関経連では、この2年間、関西から被災地を、そして日本を元気にするために、様々な活動を展開してまいりました。戦後最大の国難とも言える状況の中、手探りの部分が多かったのが正直なところではありますが、ここに至るまで、一定の貢献ができたのではないかと思っております。
 昨年からは、関経連の活動に企業の行動原理を取り入れております。まず2020年の関西のありたき姿として、「日本の双発エンジンとして日本をリードすること」と「アジア有数の中核都市圏となること」の2つを掲げました。また、2014年までの中期目標として、「震災復興」、「新しい国づくり」、「競争力強化」、「人・ビジネスの吸引力強化」の4つを設定し、その達成に向けて、毎年、PDCAサイクルをしっかりと回すことにしております。
 2014年に向けた3ヵ年の1年目となる昨年度につきましては、4つの中期目標の達成に向けた事業の中でも特に重要な「震災復興支援」、「セキュリティの向上」、「関西イノベーション国際戦略総合特区の推進」の3つを重点事業に定め、精力的に活動を進めてまいりました。
 その結果、それぞれの事業におきまして、この1年間で着実に実績を積み重ねることができましたが、いずれも緒についたばかりであります。そこで今年度も引き続き、この3点を重点事業として活動してまいりたいと思います。
 まず、震災復興支援につきましては、会員企業の有志を募ってボランティア・バスを派遣した他、東北の将来を担う人材を育成する「関西起業塾」や、東北企業と関西企業とのビジネス・マッチングなどにも取り組みました。宮城県の村井知事をはじめとする被災地のみなさまから、多くの感謝の声をいただいております。
 震災からの復興には、息の長い取り組みが必要です。また、被災地と言いましても、地域ごとに復興の進捗は様々です。この2年間で被災地の自治体や経済団体などとの関係を築くことができましたので、関経連では今後も、被災地の声にしっかりと耳を傾けて、それぞれのニーズに沿った支援を、積極的に実施したいと思います。
 次にセキュリティの向上につきましては、「首都機能検討特別委員会」における調査・研究を重ね、関西広域連合や他の経済団体とともに、政府に対する提言を実施いたしました。首都機能のバックアップや国土構造の複眼化の必要性とともに、関西をそのための重要拠点として位置づけるように訴えております。
 政府の中央防災会議では現在、東京圏外のバックアップ拠点の候補地といたしまして、大阪を含む5都市(※)があがっております。先日、国土強靭化基本法案が国会に提出されましたので、強靭な国土づくりに向けた議論は、これから本格化するものと考えております。
(※)札幌・仙台・名古屋・大阪・福岡  関経連では、これから策定される国土強靭化基本計画に、関経連の主張が反映されますことを目指して、今後も、政府や有識者会議のキーパーソンに対する働きかけを続けてまいりたいと思います。
 また「関西イノベーション国際戦略総合特区」につきましては、関西が得意とするライフやグリーンの分野におきまして、イノベーションや新産業を創り出す基盤が着々と整備されております。これまでの企業の投資額は、およそ500億円にものぼります。
 この4月からは、関経連と関西広域連合によります共同の事務局を設立いたしました。グランフロント大阪のナレッジ・キャピタルもオープンし、いよいよ、関西のイノベーション力をもって日本経済を牽引する体制が整ったと思っております。
 今後は、それぞれのプロジェクトの事業化、産業化などをしっかりサポートするとともに、大胆な税制措置の導入や規制緩和の推進、総合特区推進調整費の活用など、特区制度のブラッシュアップを、政府に対して強く求めてまいります。
 また、現在検討が進められております、いわゆる「アベノミクス特区」につきましても、関西のポテンシャルを最大限引き出すものとすべきであることを、しっかりと訴えてまいりたいと思います。
 さらに、長年の懸案でありました「うめきた」のⅡ期開発につきまして、関経連の提案により、昨年9月、官民協議会が設立され、具体的な協議が始まりました。現在、開発スケジュールや資金面などの課題につきまして、検討が進められているところです。
 この4月26日に開業した「グランフロント大阪」は、期待どおりの盛況であり、その周囲にも賑わいが波及しているそうです。Ⅱ期の開発は、「みどり」を中心に据えることが大きな方向性として決まっておりますが、Ⅰ期のグランフロント大阪の勢いに乗じて、ぜひとも、関西のゲートウェイに相応しい街に仕立て上げたいと思っております。
 以上、3つの重点事業につきましてお話しさせていただきましたが、それ以外にも、今年は、アジアにおける新しいビジネスの可能性を探っていきたいと考えております。
 昨年は、中国で現国家主席の習近平氏と懇談した他、インドネシア、シンガポール、タイ、ベトナムでも国家首脳と懇談するなど、これまで築いてきたネットワークのさらなる強化に取り組みました。
 今年は、新たに「アジアビジネス研究会」を設置し、これまで未開拓の国や地域を中心に、その実情やニーズを調査し、関西企業の進出の新たな可能性を見出したいと思っております。アジア太平洋研究所の協力も得ながら、できるだけ実践的なものにしたいと考えております。
 また、電力の安定供給確保は、何よりも重要であります。政府は、安全が確認された原子力発電所の再稼動を進める意向を明らかにしておりますが、われわれ企業が力を発揮するためには、1日でも早く、それを実現することが不可欠です。
 そこで関経連といたしましては、大飯発電所3・4号機に続く安全が確認された原子力発電所の再稼動に向けて、政府の実行を強く促すべく、具体的かつ説得力のある要請を、今後も、粘り強く続けてまいります。
 さらに、競争力人材の育成、科学技術基盤の維持・向上、関空の活性化などの課題につきましても、1つ1つを着実に進めていきたいと思います。
 みなさまにおかれましては、引き続きのご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
 最後になりましたが、一昨年に関経連の会長に就任して以来、私は一貫して、 「実行」と「実現」にこだわってまいりました。一企業ではできないことを率先して実行し、実現にまでこぎつけてこそ、経済団体である関経連の存在意義があると思っております。
 この思いは、1期目を終えた現在でも、いささかも変わっておりません。
 また、安倍政権が日本経済再生に並々ならぬ意欲を示し、景気回復への期待が大きく膨らんでいる今こそ、関西経済にとっても絶好のチャンスの時であり、これを確実にものにすることが、関経連に強く求められていると思います。
 したがいまして今後は、「実行」と「実現」にこだわることに加えまして、チャンスをものにするための「スピード感」をもって、関経連の活動に取り組んでまいりたいと思います。
 そしてその上で、関経連の力で関西の未来を切り拓き、関西から日本の未来を強く牽引してまいりたいと思います。
 そのためには、何よりも、みなさまのお力添えが不可欠であります。事務局ともども、精一杯取り組んでまいりますので、みなさまには、引き続きの、ご理解、ご協力を賜りますことを重ねてお願い申し上げまして、私からのご挨拶とさせていただきます。
 みなさま、これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

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