「400年の歴史を経て受け継がれる『萬事入精(ばんじにっせい)』『信用確実』『不趨浮利(ふすうふり)』という住友事業精神が、住友電工グループの事業活動のベースにあります。1897年、銅の精錬業の中心だった大阪で住友伸銅場が誕生し、以降、電線を製造する技術、敷設する技術、材料に関する技術を様々な用途に展開し、独自技術の開発と、新規事業への挑戦を続けてきました」と語るのは情報システム部長の高橋氏だ。現在は、環境エネルギー、情報通信、自動車、エレクトロニクス、産業素材の5つの分野で事業を展開している。
さらに「私たちは、つなぐ・ささえる技術をイノベーションで進化させ、グループの総合力により、より安心・快適・グリーンな社会の実現に貢献していきます」と繋げた。
従来より同社では、全社を挙げて取り組んでいる「SEQCDD*1」を製造業にとっての重要課題として位置づけ、デジタル技術を活用し課題の改善強化を加速・深化させていくことを、同社としての“DXの中核”と位置づけている。
(*1)「SEQCDD」とは、S(Safety:安全)、E(Environment:環境)、Q(Quality:品質)、
C(Cost:コスト)、D(Delivery:納期)、
D(Development:開発)をいう。
すなわち、同社のDXは、様々な事業部門のモノづくりにおける特定の課題の解決に資するものであると同時に、安全、環境、品質、コスト、物流・納期、開発、という、モノづくりに関わる全ての重要課題について、全社全部門でその改善を加速・深化させるものとして位置づけられている。全社一丸となって継続的に取り組む全社活動であることが同社のDXの取組みの重要な特徴である。
さらに高橋氏は、DX推進へのきっかけとして「経済社会のデジタル化、地球環境課題への対応の強化など、事業を取り巻く内外の環境変化に的確、柔軟に対応しながら、当社グループがこれまでに培ってきた技術をさらに活かした製品・システムをグローバル市場に提供していくためには、これまでもモノづくりの製造現場を中心に取り組んできたデジタル技術の活用をさらに進めていくことが不可欠の最重要経営課題」であると続けた。
このような基本認識にたち、社長自らが委員長となって「DX推進委員会」を立ち上げ、同社としてのDXの位置付けを定めるとともに、社長が強力なリーダーシップを発揮しながら、全社を挙げたDXの取組みを「全社DX計画」として具体化していくことにした。
当社のDXは、製造現場をはじめとする全社の取組みであり、このことをすべての社員が認識して取組みを確実なものとしていくために、社内のすべての部門にそれぞれの「DX推進責任者」を任命し、これらの「DX推進責任者」からなる「DX推進実務者委員会」を「DX推進委員会」のもとに置き、必要な指示・支援を受けることとし、モデル的な事例の共有と横展開の検討を行いながら取り組むこととした。そして、このような体制のもとで議論を重ね、2021年10月に「全社DX計画」をとりまとめた。

今後のビジョン・計画として、引き続き「全社活動」としてDXを推進していくという。具体的には、全社共通の仕組み・ツールである「全社DX基盤」の展開と活用を図りながら、各部門の「部門DX計画」を着実に進め、「SEQCDD改善強化」を具体的に達成していくことを目指す。