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2023.3.30 女性のエンパワーメント交流会

第3回 女性のエンパワーメント交流会を開催

第3回女性のエンパワーメント交流会を開催

3月30日(木)、女性のエンパワーメント交流会を開催、会員企業から女性の役員や部長など28名が参加した。金花芳則川崎重工業取締役会長(関経連副会長)を迎え、「アメリカ勤務での実体験を踏まえて」と題した講演を実施した後、山内千鶴関経連D&I専門委員長のファシリテートのもと質疑応答・意見交換を行った。金花氏は、徹底的に勉強し、誰にも負けない専門家になれるよう仕事を極めれば、新しい分野においても直感が働き、判断力が身につくと語った。

また、約20年間の海外勤務経験を踏まえ、日本の良いところは、お客さまを第一に考える思いやりの精神であり、それは鉄道車両の分野だけでなく、世界に通用するものだと述べた。

第3回女性のエンパワーメント交流会を開催

【講演要旨】

「アメリカ勤務での実体験を踏まえて」

約20年間海外で勤務した経験から、米国でも日本流、浪花節が通用することを実感している。ニューヨーク勤務時代に、地下鉄車両のトラブルから、テスト用車両を貸してほしいと依頼された。現場のスタッフがいつになく熱心に始発電車が無事運行できるよう全力を尽くしていたその理由を後からたずねると、始発電車で勤務地に向かわなければ、日雇いの仕事を失う人がたくさんいるからだ、と答えた。その経験から、乗客に迷惑をかけないという鉄道事業の重要性を実感し、お客様を第一とする対応によってアメリカで信頼を得てきた。

日本的サービスの特徴であるお客さまに対する思いやりの精神は、鉄道車両の分野だけでなく、世界に通用すると考えている。社長になってからは、仕事を極め、自社の製品を愛することに加えて、若い人とのコミュニケーションに努めた。役員クラスや部課長クラスとのOne on Oneを毎朝実施しているほか、社内SNSを立ち上げた。
社内SNSでは意図していた以上にさまざまな効果があり、コミュニティの8割は業務に関連し、部署や部門を超えた情報のやり取りにつながっている。また、仕事以外では、例えば、共働きのコミュニティにおいて、子育て支援情報等の共有がなされている。また、私自身が若手のコミュニティに入れてもらい、若手からアイデアや意見を直接聞き、それを基に事業を開始することもあった。社内SNSや部下とのOne on Oneを通じて、縦割り組織の解消や、全社的なコミュニケーションが活発化している。

第3回女性のエンパワーメント交流会を開催
第3回女性のエンパワーメント交流会を開催

【質疑応答・意見交換】

役員になると、未経験の領域に関する判断を求められる。そのような場合に、どのようにすれば本質的な部分を理解し、判断できるようになるか。

入社2年までに車両分野について徹底的に勉強し、その後の数十年の鉄道車両人生で誰にも負けない経験を積むことができた。自身の仕事の経験を徹底的に積むと、新しい分野においても直感が働き、判断力が向上すると考えている。

若い人たちのモチベーションを引き出す上で、意識して話しをされていることがあれば伺いたい。

課長研修、部長研修では、「今の若い人は自分を高めることや、世の中に役に立つことを重要視している方が多い。我々の世代と価値観が変わっており、それを理解しなければならない」と伝えている。

欧米に比べて、日本では時間あたりの生産性が低いといわれるが、どのようにすれば意思決定も含めて効率を上げられるか。

欧米では、定時に絶対に帰るという発想から逆算して、仕事のやり方を自分なりに決めている。日本人はしなければならないことを徹底的にやるが、無駄な仕事をしているかもしれない。遅くまで残る上司がいる場合は、経営層に直談判してはどうか。自身も含め、今の経営層は皆さんが思っている以上に受容性があり、聞く耳をもつ方が増えていると思う。