
8月4日(月)、女性のエンパワーメント交流会を開催、会員企業から女性の役員や部長など47名が参加した。ダイフク社外取締役、東洋紡社外取締役の神崎夕紀氏を迎え、「多様性推進の現状と自律的キャリア形成」と題した講演を実施した後、森口真希 D&I専門委員会副委員長のファシリテートのもと、質疑応答・意見交換を行った。
神崎氏は、キャリア形成において大切なことは「強みをつくること」と「仲間をつくること」であると強調した上で、常にインプットを続ける姿勢の重要性に言及した。また、過去や他人など自分では変えられないものに執着せず、少しの心の余裕を持つことが働く上でのヒントになるとも述べた。
その後の意見交換では、神崎氏の「チャンスが回ってきたときにそれを生かせる自分でいることが重要」との言葉に、参加者から多くの共感が寄せられた。

【講演要旨】
- 常に「働き続けること」を意識し、ベンチャー企業からキリンビールへの転職、工場長としての経験、協和発酵バイオ社長への就任など、キャリアを積み上げてきた。ただ振り返れば、いやな仕事や嫌いな仕事はなく、色々な機会をもらえるのが純粋に嬉しかった。
- チームで楽しく働くことに達成感があり、その一緒に働く人たちを少しでも幸せにしたいと思ったのが、リーダーを志したきっかけ。組織をより良くするには自分のポジションを上げ、意思決定の場に身を置く必要があると思った。
- キリンビール、そして現在社外取締役を務めるダイフク、東洋紡とも、それぞれ会社を取り巻く環境は異なる中で、女性活躍に取り組んでいる。マイノリティの母数を増やすということはとても重要。自身の経験からも、その場に色々な人がいることが重要だと思っている。
- 5年、10年、キャリアが足踏みしてしまったと思っても長期スパンで考えるとどこかで相殺されることも十分ある。人それぞれキャリアの作り方は違うので、今上手くいかないことを嘆くよりも余裕を持って構えていることが大切。

【質疑応答・意見交換】
- 未来を考える、先を見据える際に意識していることや工夫があればお聞きしたい。
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現状に対する不満やストレスなどがあると思うが、それを解決することが未来へつながる。足もとをみながら未来を考えていくという思考でもいいのではないか。
- .部下や後輩に余計な苦労や失敗をさせたくないと思い、つい先回りして教えすぎてしまっている気がする。自分で失敗して乗り越えるという経験を積ませた方が良いのか。
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自分とその部下は違う人間というスタンスも大事。自分と同じように失敗するとは限らない。また、部下本人が言われたことをプラスにしているかそれとも聞き流しているか、どう受け取っているかによっても対応は変わってくる。メンバーがリーダーに何を求めているかに重きを置くことが重要だと思う。