
12月15日(月)、「第4回関経連D&Iフォーラム」を大阪市内のグラングリーン大阪 JAM BASE マルチスペースにてオンライン併用で開催、約100名が参加した。
開会あいさつに立った柿原アツ子 D&I専門委員長は、「多様性の推進は社内だけでなく社外の仲間とも連携し、知見を共有しながら広げていくことが欠かせない」と述べた。続いて、高田朝子 法政大学経営大学院イノベーション・マネジメント研究科教授が基調講演を行い、集合知を得る場をつくることや、組織や立場を超えてつながる「越境」の重要性を説いた。
その後、田村太郎 ダイバーシティ研究所代表理事のファシリテートのもと、企業間で連携してD&Iを推進している具体的な事例紹介を交えたパネルディスカッションを実施し、活発な議論が交わされた。

【開会挨拶】
関西経済連合会 柿原アツ子 D&I専門委員長- 多様な人々が集まり、互いの違いを尊重しながら働く環境では、イノベーションが生まれ、企業の競争力が高まる。D&Iは企業成長の根幹を支える重要な戦略である。この多様性の推進を社内だけで進めるのではなく、社外の仲間と連携し、知見を共有しながら企業間のつながりを広げていくことが欠かせない。それによって関西全体の底上げにもつながる。
- 先進的な取り組みを進めてこられた企業には、自社の現在地を客観的にとらえ直す機会としてほしい。また、取り組みに課題を感じている企業には、企業間連携という選択肢に触れてほしい。

【基調講演】
多様性を競争力強化に繋げるにあたって組織に求められること
法政大学経営大学院 イノベーション・マネジメント研究科 教授 高田朝子 氏(要旨)
- 多様性は人事戦略ではなく、経営戦略である。同質性の高い集団の意思決定は偏りやすい。現状、日本企業は多様性を競争力強化に十分につなげられていない。
- 人材育成の観点からは、これまで日本企業に多く見られた「暗黙知」を前提とした育成のあり方を見直す必要がある。多様な人材が力を発揮するためには、リーダー自身が経験や期待を言語化する力を磨き、部下やメンバーに対して日常的にフィードバックを行うことが不可欠。
- さらに、ネットワーク構築も重要であり、立場や価値観の異なる人々が集まり「集合知」を得られる場を意識的につくることや、組織や分野の枠を越えて人とつながる「越境」が必要である。
- 多様性は、それ自体が自動的に効果を発揮するものではない。むしろ、価値観や考え方の違いに伴う摩擦や煩雑さと正面から向き合い、それを乗り越えようとする覚悟があってこそ、その真価が発揮されるものである。企業も当事者も腹をくくる、危機感を持つべき。
【パネルディスカッション】
企業間連携を通じた関西のD&I先進地化に向けて
- パネリスト:
- 関西経済連合会 D&I専門委員長 柿原アツ子 氏
積水ハウス ESG経営推進本部 ダイバーシティ推進部 スペシャリスト 木原淳子 氏
東京海上日動火災保険 関西エリアサービス部 人事チーム マネージャー 井上愛 氏
- ファシリテーター:
- ダイバーシティ研究所 代表理事 田村 太郎 氏
(まとめ)
- D&Iは個社での取り組みに加え、他企業とのネットワークで推進することが重要である。企業内の役員から担当者までの「縦のつながり」に、他企業との連携という「横のつながり」が加わることで、より立体的に物事をとらえられるようになる。
- 企業間連携により社外から気づきを得ることは、新たなアンコンシャスバイアスの解消につながる。また、複数企業が連携して取り組むことで、D&I推進の機運醸成にもつながる。
- さらに、自治体など多様なステークホルダーと連携し、大小さまざまなネットワークを形成してD&I推進に取り組むことが重要ではないか。