導入理由
現在、売上の8〜9割近くを海外での販売が占めており、研究開発・生産の拠点は日本にあるものの、世界各地の海外子会社で販売やアフターサービスに従事する社員の存在が重要である。日本では従来、職能型・メンバーシップ型の採用や育成を行ってきたのに対し、海外の社員はジョブ型志向が強く、自身の専門性を強みに仕事を行っている。日本本社の社員が海外の社員と対等に仕事を進めていくためには、個人の専門性を活かすことが不可欠である。
また、世界各地の拠点で人事制度や評価の仕組みがバラバラであると、グループとして一体感を持って仕事を進めることが難しい。こうした状況をふまえ、2020年に日本の人事制度を海外のスタンダードによせた新たな人事制度へと変更した。
対象者
国内外のグループ社員
内容
- グローバル共通のジョブ型人材マネジメント
仕事を起点に、求められる専門性や責任に応じて人材を配置・処遇する考え方をグローバルで統一。各国・地域の事情をふまえながら、共通の人材マネジメントの考え方を展開している。 - グローバルHRポリシーの整備
各国の文化・慣習や法律の違いをふまえ、コンピテンシー(成果につながる行動)による評価や等級制度の共通化など、グローバルでの基本的な人材マネジメントの考え方を「グローバルHRポリシー」として整理し、各地での運用の拠り所としている。 - ジョブディスクリプションによる職務の明確化
職務内容や必要なスキル等を明示することで、社員が「やりたい仕事」と「現在不足しているスキル」を把握し、自身のキャリアを考えられるようにしている。 - スキルの見える化とキャリア形成
社員が自身のスキルを明確にし、上長と相談しながらキャリアを考える仕組みを試行。現時点では、詳細なスキル定義の厳密な運用ではなく、幅広い仕事に必要となる能力やビジネススキルを中心とした「グローバル・リーダーシップ・コンピテンシー」を活用している。 - 職種別採用・職務を起点とした人材配置
新卒採用を職種別採用に変更するとともに、社内公募制度においても「どのような役割で、どのような人材を求めているか」を明確にして人材を募ることで、人材と職場のマッチングを高めている。
効果
- 日本国内の人材マネジメントをジョブ型にしたことで、受け入れ部門が求める人材像や仕事を明確に示せるようになり、海外の大学から外国人材を採用する際にも、選考段階で候補者の適性を見極めやすくなった。
- 社内公募制度においても、役割を起点として人材を募ることで、異動する社員と受け入れ側双方の納得度が高まり、その後の活躍度合いも高まっていると感じている。新卒採用についても職種別採用に変更したことで、入社後のミスマッチも大幅に減少したと見ている。