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関西国際空港

2009年度~2010年度の動き

現在、関西国際空港には、世界27ヶ国・地域、68都市を結ぶ週729便の国際線が就航、国際貨物便は週139便となっています。世界的な景気後退の影響を受け、09年度の関空の就航便数は大幅に減少しましたが、10年夏スケジュールでは持ち直しの兆しが見えてきました。

(1)関西国際空港の就航促進と需要喚起

当会は、地元自治体・経済界や関西国際空港株式会社と連携し、関西国際空港全体構想促進協議会(会長:下妻会長)が中心となったエアポートプロモーションや航空会社への就航奨励金交付などの就航促進に取り組んでいます。また、産学官の関係者が一体となった国際物流戦略チーム(本部長:下妻会長)のモデル事業として、関西国際空港を活用した国際物流効率化の実証実験等の需要喚起に取り組んでいます。

<最近の主な動き>
・2010年12月10日、国際物流戦略チームが実施した「関西国際空港の貨物便就航路線ニーズ調査結果」を公表しました。
・2010年11月26日、2010年度の「関空物流ニュービジネスモデル促進事業」として、食の輸出やエクスプレス貨物など5社5事業を認定しました。
・2010年1月20日、2009年度の「関空物流ニュービジネスモデル促進事業」として、共同配送やシーアンドエアなど7社8事業を認定しました。
・2009年11月16日、民間のアイデアを生かした新たなビジネスモデルへの展開を目指し、関西国際空港株式会社や関西国際空港全体構想促進協議会と連携した「関空物流ニュービジネスモデル促進事業」を国際物流戦略チームの公募事業として新設しました。
・2009年10月30日、京都・大阪・兵庫・和歌山の各府県知事、大阪・堺・神戸の各市長、大阪商工会議所・神戸商工会議所の各会頭と関経連会長の連名で「関空利用促進アピール」を公表し、利用促進の強化を申し合わせております。
・2009年4月30日、国際物流戦略チームが実施した「Sea&Air輸送の実証実験」の結果を公表しました。
・2009年4月10日、近畿運輸局、近畿農政局、大阪府、和歌山県と当会が実施した「関空深夜貨物便を活用した農水産物物流ネットワーク確立に向けたモデル事業調査」の結果を公表。本調査は国際物流戦略チームの取り組みの一環として実施されました。

(2)関西3空港問題の解決

関西国際空港の空港機能を十分に発揮するためには、関西国際空港、大阪国際空港(伊丹空港)、神戸空港の3空港の最も効果的なあり方を考えることが重要です。こうしたいわゆる「関西3空港問題」については、2005年11月の第4回懇談会において関西3空港の役割分担を合意してから4年が過ぎ、その後の状況変化を踏まえ、改めて各機関の立場や考え方を明らかにする必要性が高まってまいりました。そこで、関西3空港懇談会(会長:下妻会長)を再開し、京都・大阪・兵庫・和歌山の各府県知事、大阪・堺・神戸の各市長、大阪商工会議所・神戸商工会議所の各会頭、関経連会長及び国土交通省航空局のトップでの議論を再開しました。

<最近の主な動き>
・2010年5月18日、国土交通省成長戦略会議が最終報告を行い、伊丹空港を含む関空の抜本策として、①関空を首都圏空港と並ぶ国際拠点空港として再生する、②関西空港と伊丹空港の経営統合により効率化する、③両空港の事業運営権を一体で民間にアウトソースすることでバランスシートを改善することなどが示されました。航空分野について明確な成長戦略が打ち出された中で、「関西国際空港が首都圏空港と並ぶ国際拠点空港と位置づけられたことはとても画期的なこと」だと考えます。
・2010年4月12日、第7回懇談会を開催。将来の航空需要の見通しを踏まえ、関西3空港の将来のあり方について関西の総意を取りまとめました。後日、下妻会長より、前原国土交通大臣に取りまとめ文書を手交し、地元の考えをアピールしております。
(需要予測のポイント)
関西の航空需要は、国内旅客、国際旅客、国際貨物ともに、足元で大きく落ち込むものの、概ね10年先を見通した場合、旅客需要は緩やかに、貨物需要は堅調に回復。関西3空港全体の発着回数は、2020年度には27万回と2008年度実績値程度まで回復し、2025年度には28万回を越えると見通されます。
(取りまとめのポイント)
①関西空港を首都圏空港に並ぶハブ空港として明確に位置づけ、国による財務構造問題の早期抜本解決を促すこと。②需要予測を踏まえると、当面3空港は併存させる必要があり、3空港の一元管理を進める中で、関空のハブ機能を伊丹空港と神戸空港が補完する形で運用を最適化させ、関西全体としての空港機能の強化を図ること。③上記2項目を関西の総意とするとともに、長期的な3空港のあり方について、いわゆる「空港存廃問題」を含め、将来の課題を共有したこと。
・2009年12月14日、第6回懇談会を開催。①関空を首都圏空港に並ぶ日本の2大ハブ空港に位置づけるべき、②3空港の運用最適化により関西の航空需要を拡大するため、3空港の一元管理を目指す、③一元管理の検討にあたっては関西国際空港株式会社を管理主体とすることを基本に議論し、平成2011年度のからの実現を目指す、④3空港の将来のあり方については、国土交通省成長戦略会議への意見反映を目指し、本年度内を目途に結論を得るようにすることなどを合意しました。
・2009年9月14日、第5回懇談会を開催。①概算要求された160億円の補給金の実現をめざす、②2005年の合意事項の踏襲を原則に、3空港の一元管理について年末までに方向性を打ち出す、③橋下徹大阪府知事が提案する関空リニア構想のような将来ビジョンは1年かけて検討することを申し合せました。

(3)関西国際空港の高コスト構造の是正

関西、ひいては日本の国際競争力の強化のためには、着陸料引き下げなどの関空の低コスト戦略を推し進め、近隣アジア諸国との空港間競争に対応していくことが、国家戦略として必要であり、有利子債務の利払いが年間200億円を超えるなど高コスト構造の早期是正が不可欠だといえます。
2009年9月14日、国土交通省が2010 年度予算の概算要求で示した、関西国際空港株式会社への70 億円の補給金増額がもたらす経済効果の試算を行い、「関西国際空港の高コスト構造是正の経済効果」として、結果を公表しました。

日本の国際拠点空港として成長してきた関西国際空港(~2008年度)

関西国際空港(関空、KIX) は、環境に配慮した24時間運用の海上空港として、1994年9月4日に開港しました。3500mの滑走路1本で開港した関西国際空港は、24時間運用が可能とされていましたが、実際は滑走路の安全確保のためのメンテナンス(週3日、深夜3時間ずつ)が必要であり、完全な24時間空港とはなっていませんでした。

近隣アジア諸国では、国の経済成長をめざし、国策として大規模な国際空港を強力に整備しています。世界の主要空港をみれば、「長距離複数滑走路+完全24時間運用」ということがグローバルスタンダードになっています。成田国際空港が騒音抑制のために深夜早朝の離発着が禁止されている中で、日本でグローバルスタンダードに適った国際拠点空港を早期に実現できるのは関西国際空港が唯一でありました。このため、2本目の滑走路を整備する関西国際空港2期事業の推進は、開港以降、重要課題となりました。

そこで、当会をはじめとする関西の自治体と経済団体は、オール関西の取り組みとして関西国際空港の発展を図るため、1998年7月、 関西国際空港全体構想促進協議会を設立しました。本協議会は、2期事業の円滑な推進および全体構想(3本の滑走路を備えたもの)の早期実現を目的としておりますが、ここ数年、最重要課題である2期事業の推進にもっぱら注力してきました。

関西国際空港2期事業については、2001年から2003年ごろにかけて供用延期論が幾度となく浮上し、関西国際空港全体構想促進協議会を中心に、地元をあげた2期事業の必要性の広報PRや要望活動、需要喚起や利用促進活動を進めてきた結果、2004年12月の国土交通大臣と財務大臣の間の合意により、2007年の2期施設の供用については、平行滑走路とその運用に必要な最小限の施設に絞り込んだ「限定供用」ということで決着しました。

こうして関西国際空港において、4000mの第2滑走路が2007年8月2日にオープンし、日本で唯一、2本の長距離滑走路を備えた完全24時間運用の国際拠点空港がここに生まれました。

(1)関西国際空港の利用促進に向けた関西の取り組み

2004年12月の国土交通大臣と財務大臣の合意では、関空2期「限定供用」にあたり、「2007年度は発着回数13万回程度、2008年度は13.5万回程度、その後も経営基盤の確立に必要な需要の確保」という目標の達成が課題となっています。このため、関西の自治体・経済界・関西国際空港株式会社では、利用促進活動に総力をあげた取り組みを行っています。特に、昨今は本邦航空会社による大幅な路線見直しが計画され、より危機感を持って取り組みを強化していかなければならない状況にあります。
関西国際空港全体構想促進協議会では、関西国際空港のより一層の利用促進を図るため、地元一体となった国内外へのエアポートプロモーション活動を実施しています。航空会社や観光当局などを訪問し、インセンティブの提示とあわせた効果的なプロモーションに努めています。さらに、2005年度から、集客・利用促進のパッケージ事業「関空 集客・利用促進事業」として、オール関西の取り組みとして、関西国際空港発着旅行商品造成の支援、就航奨励金による新規就航の誘致などにも取り組んでいます。「関空 集客・利用促進事業」の事業規模は、年間7億円規模となっており、その財源は自治体と経済界が拠出負担しています。
当会が中心となった経済界独自の取り組みでは、旅客便および貨物便のさらなる利用促進を図る「関空利用促進宣言」を2004年8月に採択し、順次、賛同企業の拡充に努めております(現在、1275社の企業が賛同)。宣言の賛同企業には、各社内において、関空利用についての周知徹底(通知、通達等)にもご協力をいただいております。また、2007年8月の第2滑走路オープンにあわせ、2007年7月には「関空利用促進強化宣言」を採択し、改めて利用促進の強化を申し合わせております。

(2)関西国際空港を活用した国際物流効率化の取り組み

国際物流戦略チーム(本部長:下妻関経連会長)は、当会が発表した「関西の総合的な物流機能強化に関する提言」(2005年3月7日)や、関西経済界と国土交通省との懇談会「関西"物流"元気宣言」(同年4月2日)においていち早く設置が提案され、国土交通省の支援を得て、全国に先駆けて、2005年6月30日に第1回本部会合が開催され発足をみております。この国際物流戦略チームの下部組織として、同年11月、関空国際物流効率化推進協議会を設置し、関西国際空港を活用したモデル事業に取り組んでいます。

深夜貨物便モデル事業(2006年8月)
関空発の北米向け貨物便拡充による国際物流効率化(2007年11月)
関空深夜貨物便を活用した農水産物物流ネットワークの確立に向けたモデル事業(2008年8月)
Sea&Air輸送実証実験(2008年12月)

アジアのゲートウェイ、貨物ハブ空港をめざす関西国際空港の課題

第2滑走路のオープンにより、関西国際空港は、アジアのゲートウェイ、貨物ハブ空港としての道のりを歩み始めていますが、その道筋を確実なものとするためには大きな課題があります。

(1)関西国際空港の高コスト構造の是正(国内外の空港との競争条件の整備)

関西国際空港の設置管理を行っている関西国際空港株式会社は、巨額の空港建設費に由来する過大な有利子債務(約1兆1,000億円)を抱えており、それが高額な着陸料・施設使用料に反映せざるを得なくなっています。
巨額の空港建設費は、騒音公害のない海上空港建設という政策コストによるものです。したがって、株式会社として損益責任を負う関西国際空港株式会社の自助努力だけでなく、過大な有利子債務を政策的措置により削減し、高コストの財務構造を抜本的に改善して、国内外の空港とのイコール・フッティングの競争条件を整備する必要があります。
国土交通省がとりまとめた「交通政策審議会航空分科会」の最終答申(2007年6月)においても、財務構造の抜本的改善や空港アクセスの改善等を通じた国際競争力強化の必要性が明記されました。
これを受けて、2008年度政府予算において、連絡橋道路通行料金の引き下げに向けた国の資産買い取りにかかわる予算が計上され、所要の手続きを経て、2009年4月に買い取りが実施されました。今後さらに、国による財務構造の抜本的改善措置の早急な実施に向け、当会をはじめ関西の自治体と経済界からも国に強く要望しているところであります。

(2)第2滑走路オープン後の施設展開

関西国際空港は、2007年の2期滑走路供用により日本で唯一の複数滑走路を持った完全24時間空港となりました。また、広大な2期島には大規模物流拠点の展開用地が豊富にあり、日本の国際ハブ空港となるポテンシャルを有しています。2008年度政府予算において、一部の施設(貨物機エプロン5スポット等)が整備されましたが、国際ハブ空港となるためには、引き続きの整備推進が必要です。しかし、2期島内への新たな建設投資は需要に応じて段階的に実施することとなっており、まずは関空の貨物需要を拡大することが急務と考えています。
先送りされた2期空港用地の造成も必要であります。残る用地造成完了にはリードタイムが3年間かかります。このため、中長期的な視野に立って、旅客ターミナルビル用地や北側連絡誘導路用地等の造成を早期に完了し、需要に応じた段階的な施設整備が時機を逸することなく実施できるようにしておく必要があります。

(3)関西3空港の役割分担の徹底

関西国際空港の空港機能を十分に発揮するためには、関西3空港の役割分担の徹底が必要です。関西3空港については、2005年11月に国と地元の間で役割分担が合意されています。役割分担の徹底のもと、関西国際空港を核として、伊丹空港と神戸空港を加えた3空港をトータルとして最適運用することが必要であります。


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