会長コメント 2007

年頭所感

2007/01/01 明けましておめでとうございます。 旧年中は、当会の活動に、ご指導ご鞭撻をたまわり、誠にありがとうございました。


1.世界の潮流
(世界同時好況)
昨年を振り返ってみますと、まず世界経済は、総じて堅調に推移しました。世界銀行によると、昨年の世界の実質GDP成長率は3.9%と前年の3.5%を上回ると見込まれています。

米国経済は、金利上昇と原油価格の高騰があったものの、堅調に推移し、BRICsはじめ発展途上国も、総じて順調な拡大を示しました。

日本・関西経済についても、雇用や消費に若干の懸念材料が見られるものの、生産や輸出の好調により、緩やかな回復を続けました。特に、関西において先端工場をはじめとする投資の地元回帰が定着したことは、大変喜ばしい限りであります。
このように、2007年初頭の国内外の情勢は、まさに「世界同時好況」とも言うべき状況にあるのではないでしょうか。

(多極化・複雑化の進展)
一方、こうした好況と平行して、世界が今、多極化・複雑化の動きを強めていることも見逃せません。

90年代初頭、世界には、グローバル化や情報化が進展すれば、市場経済と自由主義に基づく「一つの世界」が実現し、各国がそれぞれ安定した繁栄を手に入れることができるという考え方がありました。

しかしながら現実を見ると、一昨年来の原油高騰によって影響力を高めたロシアや中東諸国、中国をはじめとする新興諸国、さらには圏域を広げ着実に経済力を 高めつつあるEUといった国・地域が存在感を高め、逆に世界の中心であったはずの米国は、イラク問題等もあって相対的に影響力を弱めています。

このように多極化・複雑化が進んだ結果、もはや世界は、米国型資本主義に代表されるグローバルモデルの中ですべての国に発展のチャンスがある世界とは違ったものになってきています。

すなわち、こうした世界においては、豊富なエネルギーや鉱物を持つ資源国、巨大な供給力を持つローコスト国、通貨覇権や軍事力に優れた超大国といった、ごく一部の国だけが圧倒的な優位性を持っているのであります。

将来、それら一部の国に経済成長や資本が集中し、世界の大半を占めるその他の国々が取り残されるようなことがあれば、人類全体の発展力が大きく損なわれることになり、世界の同時不況化や、さらには国・地域間の対立や、紛争の激化につながりかねません。

(新たな発展の道へ)
それでは、多くの国々が発展と成長を実現し、世界が多極的な安定と繁栄を遂げるために、今、何が求められているのでしょうか。

それは、世界中の国や地域が、文化や技術といった地域固有の無形資産を掘り出し、磨くことで、天然資源や安い労働力とは違った魅力的な価値を生み出して、世界に発信していくことに他なりません。

つまり、それぞれの国や地域が、世界の期待に応じて、独自の強みを活かした価値発信を行い、共に豊かさを手にすることで、互いに支えあい繁栄する世界を実現することが可能になるのであります。

(関西の特性と価値創造への道)
この点で関西について考えてみると、まず、日本文化の発祥の地として豊かな伝統文化を育んできた地域であるとともに、現代においても、人々の鋭い感性を活かした、先進的な文化が常に生み出されている地域であります。

また、優れた技術に支えられたモノづくりの集積地として、日本のみならず世界中の人々を魅了するような製品やサービスを数多く世に送り出しており、「価値創造の聖地」と言っても過言ではありません。

こうした「伝統と先進性の混在した文化」や「最先端の技術集積」こそ、関西が世界に誇れる価値を生み出す原動力となるものであり、いわば「価値リソース」 と呼べるのではないでしょうか。関西が熾烈なグローバル競争に勝ち抜くためには、この貴重な「価値リソース」を最大限に活かして、魅力的な価値創造の原動 力としていかなければなりません。

そのためには、地域に根ざす文化や技術を大切に育むとともに、「文化と技術」、「古きものと新しきもの」といった異なるもの同士を巧みに融合させることで、価値創造を促すような取り組みが必要であります。



2.2007年の関経連活動の基本方針
(「価値リソース」を活かした価値創造力進化)
こうした観点から、関経連としては本年、文化や技術など関西ならではの「価値リソース」を育むこと、そして、それらの融合を促すことで、価値創造力を進化させることを基軸として、「産業クラスターの形成」や「街の魅力づくり」といった活動を展開してまいりたいと思います。

(産業クラスターの形成)
まず、これまで進めてきたロボットやバイオといった先端産業のクラスター形成に加えて、新たな有望産業についても、その兆しを素早くとらえ、具体的な産業創造に結び付けていくことが重要であります。

その点で、関西では今、大阪都心部を中心にデザインやソフト開発、アニメなど多種多様なコンテンツ産業の集積が生まれつつあることから、人材育成や創作環境の整備などを進めることで、日本を代表する「コンテンツ産業クラスター」を関西に形成してまいりたいと思います。

(街の魅力づくり)
また、文化や技術の融合を促すためには、人々が集い、交流する場を整備していかなければなりません。とりわけ、関西の玄関口である大阪駅周辺については、各プロジェクトを連携させ、将来の街の全体像を示す「大梅田グランドデザイン」の検討を進めてまいります。

(アジア諸国との連携)
さらに、アジアとの強い結び付きも関西のかけがえのない「価値リソース」の一つであります。この点では、これまで主に中国との連携強化に力を入れてきまし たが、今後は周辺諸国ともそれぞれの特性を活かした交流・連携をはかるため、ベトナム企業家との「日越経済討論会」の開催等、多様な施策を検討してまいり たいと思います。

(企業価値の向上)
こうした「価値リソース」を活かした価値創造の主役は、関西企業に他なりません。企業にとっても、こうした活動を通じて、地域の魅力をさらに高め、社会に役立つことこそが企業価値の向上につながるのではないでしょうか。

そこで、昨年設立した「関西企業価値研究会」での検討結果をふまえ、各企業が真の企業価値について学びあい、実践する場として、新たに「関西企業価値ネットワーク」を設け、活動の具体化をはかってまいります。



3.むすび
本年は、関空2期事業の供用開始とともに、世界陸上大阪大会や世界華商大会、東アジア主要都市サミットの開催が予定されるなど、世界中から人が集まり、関西への関心が高まる年であります。

関経連としては、この絶好の機会をとらえ、関西の素晴らしさを強くアピールするとともに、世界の中でひと際輝く存在をめざして、他の経済団体や行政、市民の皆さまとも連携を強めながら、一段の関西活性化を進めてまいりたいと思います。


会員はじめ関係各位の一層のご理解・ご支援をお願い申し上げます。


以上

 
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