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会長コメント 2011

第49回定時総会 下妻会長挨拶

2011/05/25

本日は、お忙しいところ、第49回関西経済連合会の定時総会にご出席賜り、誠にありがとうございます。開会にあたり、一言ご挨拶を申し上げます。

さる3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震。被害は、東北3県の他、茨城、千葉など関東圏にも及び、死者・行方不明者合わせて2万4千名。今なお、11万人を超える方々が避難所生活を余儀なくされております。
地震発生当初から、被災者の冷静な行動や我慢強さが世界各国の称賛を受けています。今も多くの義援金が国内各地はもとより、世界各国から寄せられております。
一方で、福島原発の事故は関係各位の収束に向けた努力が続けられているところでありますが、日本の技術への信頼感が揺らいだ面はあります。しかし、新幹線はキッチリと安全に停車し、市街地の高層ビルは倒れませんでした。日本の耐震・免震技術の高さは、風評の排除とともに、もっと発信していくべきだと思います。

この震災で認識が新たになったことが二つあります。
第一に、東北地方がサプライチェーンの重要なキーになっていたこと。東北地方の弛まぬ企業誘致の成果であります。震災で優秀な部品の供給がストップし、日本各地の工場が操業停止に追い込まれました。また、海外でもその影響は非常に大きなものがありました。
第二は、高度に集積・発展してきた東京ですが、食糧やエネルギー、更に人材など、必要不可欠な要素を東北に依存している。つまり、東北に生かされているという面であります。従来は、ともすれば、地方が東京に依存しているという論調がまかり通っておりましたが、依存の関係は、一方的ではなく相互の関係であったということです。
翻って考えれば、これらは、東京以外の地域が、それぞれのポテンシャルを向上させ、日本にとってなくてはならない存在になっているということだと思います。

日本のマスコミでは、震災関連の情報が溢れています。国民が受けた惨状を伝えるのは当然です。しかしながら、新聞・雑誌の紙面には限りがあり、テレビ・ラジオのニュースの番組枠も同様です。紙面・番組にならない世界の政治・経済の状況にも、目を向けねばなりません。
今も世界経済は変化し続けております。中国の経済膨張は留まることなく、南欧諸国の財政問題は未だ解決されておりません。溢れるマネーの奔流は、一次産品の価格高騰をもたらしております。震災の前後でもこれらのトレンドは変わっておりません。
勿論、日本の課題...人口減少、高齢化、財政問題、経済成長率の低下。更に、外交、安全保障などの課題は、厳然として我々の目の前に横たわったままです。
2011年。日本にとって今年は、選択の年になるはずでした。TPP参加への議論が大詰めを迎え、税と社会保障との一体改革の大方針が出されることとなっておりました。震災対応を理由に解決を先延ばしすることは、許されるものではありません。

今年度の関経連の活動は、今般の震災による東日本の経済停滞、首都圏の中枢機能の低下などが長期化する可能性が高いという認識の下、
・新しい日本の姿を描きつつ、震災からの復旧・復興と、関西の突破力で日本の危機克服に貢献する。
・日本の復活に向けた競争力強化のための環境整備に取り組む。
これを活動の柱としたいと思います。
一朝一夕に片付く話ではありません。息の長い取り組みになると思います。しかし、時間軸も重要です。阪神大震災では、世界6位を誇った神戸港のコンテナ取扱が、復旧までの2年の間に凋落し、釜山港などに奪われてしまった苦い経験があります。今また、製造業の海外流出が懸念されております。復旧・復興は時間との戦いとなります。

また、今回の被災地は、岩手、宮城、福島、更に茨城にまで及び、まさに広域的な被害であります。それぞれの地域には、それぞれの風土・産業があり、一律の復興計画というものはあり得ません。逆に、港も、農地も、そして町役場も全て単純に復元すれば良いのか。
東北6県は今後30年間で人口が240万人減少する。高齢化率も40%に近くなると言われております。一方で、アジアとの共生は、日本として不可避の選択であります。TPP、自由貿易からの逃避は得策ではありません。
これらを前提とし、党派や官庁、自治体それぞれに境界を越え、時代を先取りする復興構想、既存の枠組みを越えた提言を発信していく必要があります。
霞が関や永田町が作り出す中央志向の計画を打破し、自分たちが一番詳しいんだ。自分たちの地域は自分たちで作るんだという気概が重要です。これは決して、今回の被災地だけの話ではない筈です。

まず、西日本が東北の復興支援や日本の経済活動のしっかりとした受け皿になる。その中心としての役割を、関西は果たしていく。東北のことを考え、行動していくことが、関西の為になる。そして、日本の力の向上にも繋がります。

以上、今年度の関経連の活動について、基本的な考え方を申し上げましたが、関経連は、今年の4月に公益社団法人へ移行しました。これを契機に、これまで以上に公益性の高い事業に取り組んで参ります。設立の理念に基づき、関西経済界の総意の表明とその実現を図り、わが国経済の発展に寄与すべく活動して参る所存であります。

関経連を支えて頂いている会員各位におかれましては、より一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げて、開会のご挨拶とさせて頂きます。有難うございました。

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