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会長コメント 2017

第55回定時総会 森会長挨拶

2017/05/29


 第55回定時総会の開会にあたりまして、一言ご挨拶させていただきます。
 先月、日本経済が戦後3番目に長い51ヶ月の景気回復を達成したというニュースが報じられました。
 多くの識者が、「今年の秋、いざなぎ景気の57ヶ月を越えるのは確実」という見通しを示しているように、日本経済の足元は、今でも底堅いようであります。
 関西経済も同様であります。昨年度について見てみますと、一部に弱い動きが見られましたものの、全体として緩やかに回復いたしました。足元につきましても、生産や輸出が好調であり、雇用環境も、完全雇用と言える状態であります。むしろ、一部の業種における人手不足の方が心配なくらいであります。
 ただ、景気回復の実感が社会の隅々にまで行きわたっていないのも事実であります。
 経済は、マインドに大きく左右されるものでありますから、その点で言えば、まだ十分とは言えないということだと思います。
 日本における戦後最長の景気回復期は、2002年から2008年にかけての73ヶ月であります。
 振り返ってみれば、この時も、まだら模様の回復であり、現在と同様、「景気回復の実感に乏しい」と言われておりました。
 この時にしても、現在にしても、景気回復の実感に乏しい理由は、かつてのバブル景気の5%程度、いざなぎ景気の10%程度などと比べて成長率が低いからでありますが、この点にこそ、日本経済の構造的な課題が集約されていると考えております。
 わが国のGDPは、ここ20年以上、500兆円付近で伸び悩んでおります。同じ期間に、米国が2倍以上に、中国が10数倍にGDPを拡大させたのとは、極めて対照的であります。
 米国や中国のような大国だけではありません。先進国でありますドイツやイタリアでも、GDPはおよそ1.4倍に増加しておりますし、新興国でありますインドやベトナムでは、それぞれ、5倍、8倍に成長しております。わが国の成長力が力強さに欠けているということは、はっきりと言えると思います。
 わが国は戦後、奇跡的な発展を遂げ、先進国の仲間入りを果たしました。中国に第二位の地位こそ明け渡しましたが、今でも世界第三位の経済大国であります。かつてのわが国が、経済面で大きな成功を収めたことは、確かなことであります。
 ただし、未来もそうである保障はどこにもありません。わが国の走るスピードが遅ければ、後続グループに抜かれる。ただ、それだけのことであります。
 安倍内閣は、2020年頃にGDPを600兆円にする目標を掲げております。年率2から3%の成長が必要となる非常に高い目標でありますが、そうでもしないと、わが国の相対的な経済力の低下に歯止めがかからないという危機感の表れであります。
 グローバル化の進展、新興国の台頭、人口の減少など、わが国の成長力が低下した要因は様々だと思いますが、それを分析、評論するだけでは何の解決にもなりません。大切なことは、戦略を描くことと、それを実行することであります。
 政府は、GDP600兆円の目標とともに、構造改革のメニューをずらりと並べています。昨年10月に意見書を提出した通り、いくつかの注文はありますが、関経連として、この方向性は正しいと考えております。
 そして、アベノミクスの中核概念であります地方創生ということを考えれば、第二の経済圏である関西こそが、その先頭に立たなければならないと考えております。
 関経連では、「関西のありたき姿」として、「日本の双発エンジンとして日本をリードする」、「アジア有数の中核都市圏となる」の2つの大目標を掲げております。
 これらは、下妻会長の時代から受け継いだものでありますが、米国でトランプ政権が誕生し、英国がブレグジットに突き進んでいる今も、全く色あせていないと思います。

 関経連は、これからも関西を、日本の中でも、アジアの中でも、頭ひとつ抜けた存在とすることを目指してまいります。そして関西を、GDP600兆円の目標達成に、最も貢献できる地域にしたいと思います。
 こうした点を踏まえまして、関経連の今年度の重点事業は、昨年度からの引き続きとなります「複眼型国土の形成」、「健康・医療イノベーション創出」、「インバウンド観光の推進」、「アジアでのビジネス機会創出」の4つといたしました。
 関西を、頭ひとつ抜けた存在とするために、引き続き、成長インフラ整備、新産業の育成、ネットワークづくりに取り組むということであります。
 詳細は、事務局からの説明に譲ることとして、私からはポイントだけ、少し触れさせていただきたいと思います。
 「複眼型国土の形成」につきましては、昨年度、リニア中央新幹線の名阪間の開業前倒しが決定いたしました。北陸新幹線も、大阪までのルートが決定いたしました。将来に向け、大きな足がかりを築くことができた1年であったと思います。
 今年度は、政府においてスーパーメガリージョン構想具体化の議論が始まる予定です。関経連といたしましては、その一翼を担う関西の将来戦略を描き、積極的に中央の議論をリードしてまいりたいと思います。
 「健康・医療イノベーション創出」につきましては、昨年度、企業が保有する従業員の検診データなどのビッグデータを、企業の健康経営支援や新ビジネス創出につなげる検討を始めました。
 今年度は、関西健康・医療創生会議とも連携して、事業の具体化を進めます。また、うめきた、中之島といったイノベーション拠点の形成にも、引き続き、取り組んでまいります。
 「インバウンド観光の推進」につきましては、昨年、関西を訪問した外国人旅行者数が1,024万人と、過去最高を更新することができました。
 「KANSAI ONE PASS」や「KANSAI Free Wi-Fi」といった関経連の活動も、少なからず、これに貢献したと考えております。
 今年度も、4月に設立した関西観光本部を中心に、広域観光周遊ルート「美の伝説」のプロモーションや、手ぶら観光の推進など、インバウンドのさらなる上積みに取り組んでまいります。
 「アジアでのビジネス機会創出」につきましては、昨年、8カ国を訪問し、環境、防災分野を中心に、現地の課題、ニーズを調査いたしました。その上で、新たなビジネス機会の創出に向けた国別アクション・プランを取りまとめ、重点国では、それを先行実施しております。
 今年度は、このアクション・プランを本格実施いたします。中国、ベトナムなどに訪問団を派遣して、投資環境の整備を促すほか、インドやインドネシアなどでは、現地の裾野産業の育成を支援する研修を実施して、関西企業のビジネス機会の創出の道筋をつけたいと思います。
 重点事業以外では、2025年の万博誘致が、これから重要な局面に入ります。
 先月、BIEに対する立候補の届け出が完了し、まさに国をあげた誘致競争がスタートいたしました。
 来年11月のBIE総会において勝ち名乗りを上げるには、われわれ地元の活動が非常に重要となります。
 関経連といたしましても、率先して汗をかき、ぜひ、万博の開催を勝ち取りたいと考えておりますので、ご協力をお願いいたします。
 最後になりますが、関経連はこれからも、関西のため、日本のために精一杯尽くしてまいります。
 会員のみなさまにおかれましても、引き続き、関経連の活動にご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げまして、私からのご挨拶とさせていただきます。

以  上
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