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会長コメント

2023年春季労使交渉にあたってのお願い

2023/01/20
公益社団法人関西経済連合会
会長  松 本 正 義



 2023年春季労使交渉に向け、当会では、わが国の賃金水準や足もとの物価動向などの状況を踏まえ、賃上げに対する「基本的な考え方」を取りまとめました。それぞれの労働条件は各社の業績等を考慮し、個別の労使間で協議・決定される事項であるとの原則のもと、各社での検討の際には是非、以下を考慮いただき、前向きな対応を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

<2023年春季労使交渉に向けての基本的な考え方>

 かねてより当会ではマルチステークホルダー主義に基づく経営の重要性を主張してきました。言うまでもなく、従業員は重要なステークホルダーです。企業経営によって生み出される付加価値を従業員に適切に分配し、生産性の向上、次なる成長につなげるという「成長と分配の好循環」を中長期的に実現していくことが、企業としてあるべき方向性だと考えています。
 また、2023年の春季労使交渉に向けては、「物価上昇への対応」が重要なテーマとなります。物価上昇の流れに賃金上昇が追い付かないことが続くと消費の減退を招きかねません。企業の社会的責務として、物価上昇に負けない賃上げの流れの維持・強化が望まれます。
 これらの要素を勘案の上、定額・定率のベースアップや物価の影響を強く受けている若年層・子育て世代への重点配分などを含む多様な手段の中から、自社の実情に適した賃金水準の底上げについて、前向きな検討・実施を呼びかけたいと思います。
 加えて、わが国全体における賃上げの流れの維持・強化には、働き手の7割近くを雇用する中小企業における賃上げと、それに向けた環境整備が大きな課題となります。中小企業の賃上げの原資の確保・増大に向け、当会としても、パートナーシップ構築宣言を通じた取引価格の適正化などの取り組みの継続が重要だと考えており、引き続き参画を働きかけていきます。

以  上