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会長コメント

川上哲郎元会長 ご逝去に関するコメント

2021/01/12
公益社団法人関西経済連合会
会長  松 本 正 義



   

 川上哲郎元会長の訃報に接し、謹んで哀悼の意を捧げる。

 川上元会長は、財界きっての論客として知られ、合理的な考えにもとづき決断、実行する秀でたリーダーであった。関経連会長在任中は、バブル崩壊後の経済低迷や阪神・淡路大震災など幾多の困難に直面しながらも、関西の抱える課題の一つひとつに真摯に取り組み、関西経済の発展を力強く牽引された。

 当時、最大の懸案事項であった関西国際空港における2本目滑走路の整備などの2期事業について、政府や自治体、経済界との間に立ち各種調整に尽力され、いわゆる「上下分離方式」で全体構想を取りまとめ、その後の道筋をつけられた。近年、世界と関西を結ぶゲートウェイとして著しく発展をとげた関空であるが、川上元会長がその礎を築かれたと言っても過言ではない。

 また、会長ご就任半年後の95年1月に起こった阪神・淡路大震災に際しては、神戸のご自宅も被災される中、陣頭に立ち、直ちに関経連内に「復興対策特別委員会」を設置し復旧・復興状況にあわせた積極的な提言活動を主導されるとともに、政府が設置した「阪神・淡路復興委員会」の委員に就任し復興に向けて奔走された。
 ベンチャー振興・育成にも取り組まれ、ベンチャー企業が持つ技術を、新規事業を模索する大企業に結び付け事業化することを支援するプラットフォームづくりなどに情熱を注がれた。

 住友電工の先輩としても、温かく気さくで飾らないお人柄で大所高所から導いてくださり、私が関経連会長に就任してからも、折にふれて励ましていただいた。大阪・関西万博など数多くのプロジェクトが控える関西の行く末について、これからも卓見を賜りたいと思っていたので、ご逝去は残念でならない。

心よりご冥福をお祈り申し上げる。

以  上