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会長コメント

2026年春季労使交渉にあたってのお願い

2026/01/19
公益社団法人関西経済連合会
会長  松 本 正 義



   

 2026年春季労使交渉に向けて、当会では、わが国の賃金水準や足もとの物価動向などの状況を踏まえ、賃上げに対する「基本的な考え方」を取りまとめました。それぞれの労働条件は各社の業績等を考慮し個別の労使間で協議・決定される事項であるとの原則のもと、各社での検討の際には、是非、以下の点を考慮いただき、ご対応賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

<2026年春季労使交渉に向けての基本的な考え方>

 2023年を転換点とした賃上げの大きな流れは、2024年、25年とさらに加速、定着し、企業による前向きな対応が続いています。こうした企業の賃上げ努力が続くなか、物価は一段と上昇し、実質賃金もマイナス基調から抜け出せておらず、「実質賃金」の安定的なプラス化の実現が社会的に求められています。2026年は、物価上昇に負けない力強い賃金引上げを継続することで、これまでの流れを本格的なものへと定着させることができるかが問われる年になると思われます。

 このような認識のもと、2026年の春季労使交渉に向けて、企業の社会的責務としての強い決意をもって、この数年来の流れを引き継ぐ力強い賃上げの実施を呼びかけたいと思います。多様な方法・手段の中から賃上げの方策をご検討いただく際、制度昇給に加えて、働き手が生活水準の維持・向上を実感できるようなベースアップの実施が有力な選択肢となると考えます。

 さらに、構造的な賃金引上げの実現には、働き手の7割近くを雇用する中小企業への波及が大きな課題です。中小企業の賃上げ原資の確保・増大が重要となるなか、発注者としての企業の果たすべき役割がますます大きくなっております。本年1月から施行された取引適正化法の順守のもと、政府の「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」を踏まえ、労務費・人件費の増加分も含めて適正に価格転嫁できるよう会員各社のさらなるご理解・ご協力をお願いします。

 当会では、かねてよりマルチステークホルダー資本主義に基づく経営の重要性を主張してまいりました。人への投資・設備投資による生産性の改善・向上や適正な価格転嫁等による収益の拡大を原資に賃上げを行い、個人消費が喚起・拡大され、適度の物価上昇が続き、収益がさらに拡大する。こうした安定的なサイクルを生み出すことで「成長と分配の好循環」の実現を図り、中核的な働き手である「中間層の活力向上」につなげていくことが、企業に求められる方向性だと考えます。

以  上