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会長コメント

総合経済対策の閣議決定に関するコメント

2022/10/28
公益社団法人関西経済連合会
会長  松 本 正 義



   

 本日、「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」が閣議決定された。現下の急速な円安の進行、物価高騰、資源・エネルギー市場の変動などへの対応とともに、中長期的な成長戦略・新しい資本主義の実現を視野に入れた総合的対策が打ち出されたことについて、経済界としても大変心強く感じている。

 個別項目としては、当会がかねてより主張してきた、エネルギー安定供給に向けた安全性を確保した上での原子力発電所再稼働への議論の加速が盛り込まれたことを評価したい。ウクライナ情勢等の影響による原燃料・資源価格の高騰が続く中、政府にはぜひ国民生活や企業活動の根幹を担う電力の低廉かつ安定的な供給を目指し、S+3Eを前提としたエネルギー政策を進めていただきたい。

 感染防止対策と社会経済活動の両立が重要であることは言うまでもないが、円安を活かした訪日外国人の消費促進については、より早いペースでのインバウンド回復を目指し、具体的かつ積極的な施策を推し進めていただけるよう、臨機応変な対応を引き続きお願いする。

 また、当会はかねてより分厚い中間層の形成による社会の安定化と好循環の創出の重要性を訴え、これを実現するための施策として所得の拡大や人的投資の拡充などを提言してきた。今回、構造的な賃上げの実現や生産性向上に向けた企業への支援およびリスキリングについても盛り込まれたことで、新しい資本主義における、「成長と分配の好循環」の実現に向けて、着実な一歩が踏み出されるものと期待している。

 加えて、2025年大阪・関西万博についても、円滑な準備を進めるための支援が明記されたことを地元経済界として歓迎している。

 今回の対策は、内外情勢が国民生活に及ぼす影響の軽減を図るとともに、分厚い中間層に支えられた力強い成長を目指す「新しい資本主義実行計画」の具体的展開の第一歩となるものであり、政府には力強い推進を期待している。

以  上