会長コメント

第63回定時総会 松本会長ご挨拶

2025.05.26
公益社団法人関西経済連合会
会長  松 本 正 義



   

 松本でございます。本日は皆さま大変お忙しい中、ご参集くださいまして誠にありがとうございます。皆さまの日頃からのご理解とご協力により本日の総会を迎えることができました。この場をお借りしまして、厚く御礼申し上げます。
 まずはじめに、先月26日に角和夫元関経連副会長がご逝去されました。皆さまとともに心より哀悼の意を表したいと思います。

 さて2024年度は、「関西ビジョン2030」で示した"関西のありたき姿"の実現に向け、多方面にわたる事業を推進いたしました。
 まず、関経連活動のフィロソフィーの一つである「地方分権・広域行政」では、関西広域連合に対し、国との協議の場の実現や、2040年問題への対応等を働きかけるとともに、シンポジウムの開催など、世論喚起に取り組みました。
 「三方よし・民の力」では、マルチステークホルダー資本主義に基づく企業経営の拡大に向け、日本記者クラブで関経連の取り組みを紹介するとともに、東京でシンポジウムを開催いたしました。また、「会社法改正等に関する意見書」を取りまとめ、マルチステークホルダー資本主義における会社法等のあるべき姿について、意見発信いたしました。
 「グローバル・アジア」については、12年ぶりに「関西財界訪中代表団」を北京に派遣し、政府要人との意見交換に加え、万博PRイベントも実施いたしました。また先月には「アジア・ビジネス創出プラットフォーム」、通称「ABCプラットフォーム」の第4回全体会議を大阪で開催いたしました。今回は、各国経済団体トップとの個別会談も実施し、2国間の協力促進や世界情勢などについて、率直な意見交換を行いました。こうした取り組みを通じて、各国経済団体との連携をさらに高いステージに押し上げていきたいと考えております。
 「イノベーション」では、グラングリーン大阪の「JAM BASE」に、産業技術総合研究所と共同で「産総研・関経連うめきたサイト」を設置するとともに、産総研等との連携協定を締結し、本サイトでセミナーや交流会など、数多くの事業を実施しております。
 「国土・インフラ」では、私が座長を務める関西3空港懇談会において、3空港全体で年間50万回の容量確保に向けた新飛行経路の導入と神戸空港の国際化などに合意し、この春から運用が開始されています。引き続き関係者と連携し、3つの空港、5つの滑走路を有する強みを最大限発揮できるよう、需要拡大と受入れ環境の充実に取り組んでまいりたいと思います。
 「2025年大阪・関西万博」では、皆さまから多大なるご協力、ご支援をいただき、機運醸成や入場チケット販売促進等の活動を推進してまいりました。先月、無事開幕を迎え、会場は連日賑わっております。この場をお借りして、改めて感謝申し上げます。
 
 2025年度につきましては、これまでの取り組みをベースとして、それぞれの事業活動を深め、成果に結びつける大切な年であると考えております。まず「地方分権・広域行政」では、関西広域連合のさらなる発展に向けた機能、組織強化の働きかけとともに、他地域と連携した世論喚起などに取り組んでまいります。
 「三方よし・民の力」につきましては、マルチステークホルダー資本主義に基づく経営を広めるための調査研究や意見発信、政府への働きかけを進めてまいります。
 そして「大阪・関西万博」につきましては、多くの方々が安全、快適で楽しい思い出を残せるよう、新しいスタートラインに立ったつもりで、その成功に向け、引き続き力を尽くしてまいります。
 また、当会の各事業におきましても、万博の機会を最大限に活用するとともに、レガシーの創出・継承に向けた取り組みを進めてまいります。
 2025年度は、2020年に策定した関西ビジョン2030の折り返し地点にあたり、これまでの取り組み実績をふまえつつ、今後への指針となる新たな中期計画の策定に取り組む所存です。
 最後に、皆さまの常日頃のご尽力に重ねて深く感謝を申し上げるとともに、ますますのご支援を賜りますようお願いいたしまして、私の開会挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

以  上