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2025年度
2025.04.22
評議員会を開催

4月7日(月)、神戸大学経済経営研究所准教授の髙槻泰郎氏を講師に迎え、「金融都市・大坂―江戸時代経済における大坂の位置づけ―」と題した講演をいただいた。
講師は、史料を読み解きながら、江戸時代の大坂における金融イノベーションについて解説した。盗難や⽕災のリスクが高かった大坂では、資産を現金で保有するのではなく、「たしかなる両替方へ入置」すること、すなわち証券による管理が一般的であったと紹介した。
なかでも米市場で有名な堂島では、大名が発行した「米切手」と呼ばれる証券が米の売買に用いられたと説明した。さらに「米切手」の債務不履行を防ぐため、現代のリレーションシップバンキングにつながる戦略が当時存在していたと述べ、大坂の金融制度は現代の視点から見ても驚くべきものであると締めくくった。