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2025年度
SDGsへの貢献につなげる関西マッチング会 成果報告会

7月24日(木)、日本民間公益活動連携機構(JANPIA)とともに、昨年11月に実施した関西を拠点に活動するNPO等と企業とのマッチング会の成果報告会を開催し、会場では40名が、オンラインでは120名が出席した。JANPIAは、休眠預金*を活用して社会課題を解決するNPO等と企業との連携を促進し、SDGsへの貢献につなげる活動を行っている。
当日は、昨年のマッチング会で生まれた39の連携案件(協議中案件を含む)の中から3件について、企業と団体がそれぞれの立場から成果や課題、今後の活動に向けた想いなどを紹介した。その後、企業間でパネルディスカッションを行い、NPO等と企業との連携のポイントなどについて、熱心な議論が交わされた。
*2009年1月1日以降の取引から10年以上取引のない預金等を指す
企業制度委員会講演会

7月23日(水)、企業制度委員会では、早稲田大学商学学術院のスズキトモ教授を講師に迎え、「マルチステークホルダー資本主義に基づく経営の実践-付加価値分配計算書の活用-」と題した講演会を開催した。
講師は、1990年代以降、わが国では企業の売り上げや従業員・役員の給与、設備投資などは伸び悩む一方で、新自由主義に基づく金融制度改革やコーポレートガバナンス改革により、株主への還元のみ伸び続ける状況が生じていると指摘した。
こうした状況をふまえ、企業が生み出す成果を株主にとどまらず、従業員をはじめとする多様なステークホルダーにも還元されるべき付加価値としてとらえ、その適正な分配につなげるための企業経営の実践方策を提案した。あわせて、近年ではこうした考え方を経営に取り入れる企業が現れていることも紹介した。
評議員会を開催

7月22日(火)、評議員会を開催、日本銀行理事の正木一博大阪支店長を講師に迎え、「最近の内外経済情勢と関西経済」と題した講演をいただいた。
講師は、2016年から昨年3月まで実施してきたマイナス金利やイールドカーブ・コントロールなど、日銀の金融政策の概要を紹介した。日本経済については、現在の物価上昇率は、2%を上回って推移しているものの、輸入物価上昇の影響が残っているとみられるため、基調的な物価上昇率の動向を見極めつつ、今後の政策金利を考える必要があると説明した。
米国の関税政策の影響については、関税のコストを米国民が負担するのか、輸出企業が負担するのかによって違ってくるが、米国市場の重要性をふまえ、後者の選択を行う企業行動も見受けられると述べた。
また、今後の関西経済は「インバウンド」と「スタートアップ」が成長の鍵を握ると述べ、前者に関してはIRの開業がもたらす意義が大きく、後者については、資金調達面を含め、先端技術を事業化していくためのエコシステムの整備が課題であると指摘した。
ソーシャルイノベーション共創拠点「CO-CREATION PARK KAWARUBA」視察会

7月18日(金)、「HANEDA INNOVATION CITY」内の「CO-CREATION PARK KAWARUBA」視察会を開催し、金花芳則副会長、森望副会長、間島寬 地球環境・エネルギー委員長らが参加した。
同施設は、2024年11月に川崎重工業が開設したソーシャルイノベーションの共創拠点であり、水素などの先進技術を活用した社会課題の解決に向けた取り組みが進められている。
当日は、ドリームインキュベータ執行役員の金子剛氏による水素社会に関する講演や、川崎重工業エグゼクティブフェローの餝雅英氏による水素航空機開発の紹介が行われた。さらに、VRを用いた川崎重工業の取り組み紹介のほか、ロボットによる調理・配膳の実演も行われた。
本視察会で得られた知見は、今後の意見発信や会員企業への情報提供などに活用していく。
グローバル人材活用運営協議会講演会を開催

7月16日(水)、グローバル人材活用運営協議会では、一橋大学全学共通教育センターの太田浩教授を講師に迎え、「日本における留学生受入れの現状と課題、そして展望」と題した講演会を開催、オンライン視聴を含め約70名が参加した。
講師は、英語圏を中心とする欧米諸国が留学生の削減・抑制策を講じている現状に触れ、日本を含む東アジアにとっては留学生受け入れの好機が到来していると述べた。
一方で、日本の大学における入学試験や授業運営のあり方には改善の余地があることや、留学生が就職する際、日本型の雇用慣行に戸惑いを感じることも多いことなどを指摘した。その上で、競争相手となる諸外国の政策とその実践状況について分析し、戦略的に留学生の受け入れに取り組む必要があると強調した。
フィリピン商工会議所との懇談を実施

7月10日(木)、松本正義会長は、フィリピン商工会議所との懇談を実施した。今回の懇談は、同商工会議所傘下の「フィリピン・日本ビジネス協議会」がビジネスミッションのために来日した機会にあわせて実施したものである。
懇談では、人材の交流・育成活用やインフラ産業分野における協業などについて活発な意見交換を行った。また、フィリピンと日本が共通して抱える社会課題について、引き続き検討を行い、解決策を模索していくことにあらためて合意した。
今後当会は、アジア・ビジネス創出プラットフォームの人材育成・活用部会を中心に、フィリピン商工会議所との議論を重ね、より緊密な関係を築くことで、課題解決に貢献していく。
日本経済団体連合会との懇談会

7月10日(木)、日本経済団体連合会との懇談会を大阪市内にて開催し、関経連からは松本正義会長をはじめ13名が、経団連からは筒井義信会長をはじめ21名が出席した。
冒頭、松本会長から、2025年大阪・関西万博について、会期後半に向けた来場者数の一層の伸びに向け、経済界が一体となってさらなる機運醸成に取り組むことの重要性が強調された。また、マルチステークホルダー資本主義に基づくコーポレートガバナンスのあり方、特に開示制度の現状と課題などについて発言があった。
その後の意見交換では、「貿易・投資立国に向けて」「科学技術立国に向けて」「地方分権・広域行政の推進」「大阪・関西万博の状況」といったテーマを中心に議論が交わされた。
地球環境・エネルギー委員会講演会

7月10日(木)、地球環境・エネルギー委員会では、立命館大学 総合科学技術研究機構の長谷川知子教授を講師に迎え、「気候変動、食料、エネルギー ~統合評価から考える持続可能な社会と経済~」と題した講演会を開催した。
講演では、気候変動による将来への影響や、CO2排出量削減に向けた各国の目標が紹介されたほか、カーボンニュートラルの必要性、気候変動と食料問題のかかわりなどについて解説が行われた。
講師は、農畜産業など気候変動の影響を受けやすい分野については、現場の実情をふまえた丁寧かつ慎重な対応が不可欠であると指摘した。その上で、気候変動対策と食料関連政策を一体的に推進していくことが重要であると強調した。
評議員会を開催

7月7日(月)、評議員会を開催、日興リサーチセンターの山口廣秀理事長を講師に迎え、「世界はどうなる?」と題した講演をいただいた。
講師は、世界が今、ナショナリズム、所得・資産格差、貿易戦争、インフレ加速、長期金利上昇などの課題に直面しており、資産バブルの崩壊や世界景気の下振れリスクがあると指摘した。
また、主要各国の経済状況について、米国は企業や消費者のマインド悪化により夏以降に景気が下振れるリスクがあるとしたほか、ユーロ圏では輸出が一段と低下し、深刻な不況に陥る恐れがあり、中国は最悪期を脱したものの、回復の展望が開けていないと言及した。さらに日本については、貿易戦争が早晩下押し圧力となるほか、名目賃金は上昇するものの、高めの物価上昇が続く限り消費者マインドの悪化が続く恐れがあるとの見方を示した。
労働政策委員会・D&I専門委員会 講演会を開催

7月3日(木)、労働政策委員会・D&I専門委員会は、日立製作所フェロー、ハピネスプラネットCEOの矢野和男氏を講師に迎え、「人は、AIと共に進化する 企業は今、変わらなければならない」と題した講演会を開催、オンライン参加を含め59名が参加した。
講師は、この20年間で「幸せ」に関する定量的な研究が進んでおり、そのなかで、余裕はあるが退屈な状態を脱却し、自分の力を生かしてチャレンジングな仕事に取り組めている状況がウェルビーイングにつながることが明らかになったと紹介した。そして、社員がウェルビーイングであるためには、生成AIを活用した組織づくりが不可欠になっていると述べた。
さらに、今後は生成AIの活用を前提とした企業や社会のあり方を検討する必要があると強調した。